第5章
無機質な蛍光灯の光の下で、龍之介の体は硬直した。
わけのわからない悪寒が背筋を這い上がる。彼は無理やり口角を引きつらせ、嘲笑を装った。
「お祖父様、冗談がきついですよ。彼女は水浸しの地下牢に十二時間もいたんですよ。まさか……」
「十二時間だ。凍るような冷水の中にな。お前を庇って受けた銃創も癒えぬまま」源蔵の杖が、タイルの床を激しく叩きつけた。
「雪奈にドンの金の印台指輪を渡したのはお前だろう! あいつが地下牢の完全封鎖を命じたのだ。伊沙美はあの氷水の中で、生きたまま溺れ死んだのだ!」
見えない万力が龍之介の胸を締め付けた。口の中に血の味が広がるのを感じながら、彼はステンレス製...
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