第103章 そっくり同じ

地下ホールの空気は、限界まで張り詰めていた。

数十丁の銃口が、水谷瑞貴と若林星奈へ一斉に向けられている。

アザールは引き金に指を掛けたまま、目の奥に剥き出しの殺意を宿していた。

「……私の母は、どこ?」

若林星奈が唐突に口を開く。水谷瑞貴の背に隠れず、一歩前へ出て、まっすぐアザールの目を見据えた。

アザールが、わずかに目を見開く。

彼は星奈の顔を、じっと――数秒、舐めるように見回した。

次の瞬間、腹の底から笑い出し、手にしていた銃をソファへ放り投げた。

「怒った顔が、若林寧々とそっくりだな」

アザールはひらりと手を振り、配下に合図する。銃口が、渋々と下がっていく。

若林星...

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