第11章 西野社長のメンツ?

屋根裏部屋へ戻ると、若林優斗は小さく丸まり、熱は下がっているものの、顔色はまだ紙みたいに白かった。

若林星奈が入ってきたのを見るなり、優斗は反射的に、さらに壁のほうへ身を引く。

「優斗、怖くないよ。ママがね、きれいで大きなおうちに連れていってあげる」

星奈は声を殺すように言って、洗いざらして色の抜けた上着を脱いだ。子どもの身体を包み込むようにそっと掛け、ためらいなく抱き上げる。

――軽い。

抱いた瞬間、胸の奥がきゅっと痙攣した。

三歳の子どもが、腕の中でこんなに重さがないなんて。

廊下へ出ると、高田さんが待っていた。

「お嬢様。若様は二階南側の客室へ。あそこは陽が入りまして。...

ログインして続きを読む