第125章 一度返してやる

「兄さん、若林さんが最近ブランド立ち上げたって聞いたんだけど……ルミネ、だっけ?」

神田健斗はうなずいた。

「星奈はセンスがある。デザインにも、ちゃんと自分の色があるんだ」

「へえ。私、こないだネットでルミネの秋冬のデザイン画を何枚か見たの。うん、確かに可愛い。……でもさ」

「ウエストのギャザーの取り方、パリのマイナーブランド『リュミエール』の去年の看板商品に、すっごく似てない? まあ偶然かもね。今どき、流行の要素なんて被りがちだし」

その一言で、周囲の空気がすうっと冷えた。

盗作――それはデザイナーにとって致命傷だ。

神田結愛は「偶然」と言いながら、実際には皆の前で若林星奈に...

ログインして続きを読む