第129章 殺したいほどの狂人

神田健斗は、粗末な工業用塩の袋を手に取り、軽く持ち上げて重さを確かめた。

怒りもしない。神田結愛をかばって弁解することもない。

ただ、若林星奈を見つめる。

「星奈。俺の中で、神田家のメンツが――お前と優斗の命より大事だと思うか?」

若林星奈はソファに腰を下ろし、両手を膝の上に揃えたまま、目の前の男を見返した。

「健斗。あなたには何度も助けてもらった。特に、私が精神科病院を出たばかりの頃……手を引いてくれたのは、あなただった。その恩はずっと覚えてる。だから今日、私はここに座ってる。最初から警察署に行かなかったのも、そのせい」

星奈はテーブルの上のスマホを指で示す。

「あなたのメン...

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