第130章 心はあるのか

翌朝。若林星奈がスタジオに着くと、入口にはすでに水谷瑞貴の手の者が待っていた。

彼女のデスクには、ずしりと重い書類袋が置かれている。中身は、神田結愛が“PR会社”へ送金した全取引の明細と、金を受け取ったファッションインフルエンサーたちのやり取りのスクリーンショット。

一件一件、逃げ道のないほど鮮明だった。神田結愛が使っていた裏口座まで、きれいに掘り起こされている。

それだけじゃない。セルマンアパレル加工工場の責任者も、約束どおり時間ぴったりに到着していた。

契約は驚くほどあっさりまとまった。面倒な縛りも、嫌味な条件もない。生地代も工賃も、水谷瑞貴側がすべて負担するという。

若林星奈...

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