第131章 あなたのような人物はいない

神田結愛は留置場で丸々一週間を耐え抜いた。弁護士があちこち走り回り、さらに大金を突っ込んで、ようやく保釈の手続きがどうにか整う。

警察署の正面玄関を出た瞬間、顔面に叩きつけるような土砂降り。

階段の下はがらんとしていて、神田家の高級車も、傘を差し出すボディーガードもいない。

身につけていたブランド服は、留置場の中で揉まれに揉まれて、酸っぱいような臭いまで染みつき、皺だらけになっていた。

雨に打たれながらしばらく立ち尽くし、ようやく通りがかったタクシーを捕まえる。

タクシーは神田家の別荘の前で停まった。インターホンを押し続けて、壊れるんじゃないかと思う頃になって、ようやく川村が門をほ...

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