第135章 道を断つ

神田結愛は奥歯を噛みしめ、病室のドアを乱暴に閉めると、くるりと振り返った。

ベッドの上で、神田健斗が首を傾けたまま、視線だけを扉のほうへ置いている。

「お兄ちゃん、何見てたの?」

結愛は早足で近づき、その視線を身体で遮った。

健斗はゆっくりと目を戻し、小さく首を振る。

「さっきの人……誰だ?」

結愛の胸が、ひゅっと鳴った。

「大した人じゃないよ」

ベッド脇に腰を下ろし、彼の手を包む。

「ブランド関係の人。昔、神田グループに協業をお願いしてきたことがあってさ。お兄ちゃんが事故に遭ったって聞いて、顔つなぎに来ただけ」

健斗はそれ以上、追及しなかった。

伏せた目のまま、指先が...

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