第140章 彼女を思いきり楽しませる

神田結愛は神田健斗の腕に絡みつき、ハイヒールで廊下をカツカツと鳴らしながら歩いた。

さっきオフィスで、神田健斗はルミネとの協業を「今後一切取りやめる」とはっきり言い渡した。

その一言は、若林星奈の頬を十発叩くより、結愛の胸をすかっとさせた。

エレベーターに乗ると、結愛は鏡に向かって髪を整える。首筋のキスマークは、隠す気すらない。

「お兄ちゃん、さっきの判断は正解。あんな小さな会社と、神田グループが組む価値ないもん」

神田健斗は帽子のつばを深く落としたまま、答えなかった。

「退院したら、式は急がないと。パパも言ってたでしょ。今の神田グループは“安定”が必要。取締役会への顔も立つし」...

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