第145章 彼女を守り抜く?

小原緑は慌ててしゃがみ込み、散らばった書類をかき集めた。

二枚、三枚とめくったところで、顔色がすっと青ざめる。指先が震え、紙を押さえることすらできない。

そこにあったのは――当時、署名を偽造し、若林家の資産を食い潰した証拠のすべてだった。

入出金の明細。名義移転の契約書。清算を担当した弁護士の供述書まで。逃げ道など一つもないほど、鮮明に。

「直人……こ、これは……誤解よ……」小原緑は言葉を噛み、必死に取り繕う。「あのときはお兄さんが急に亡くなって、家の中がぐちゃぐちゃで……私たちだって、星奈の分を守ってあげようと思って、いったん名義を――」

「守る?」西野直人が鼻で笑った。身体を前...

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