第25章 得体の知れない熱気

藤原圭司の言葉は、刃物みたいに彼女の喉元へ突きつけられた。

プロジェクトは大失敗。真っ先に責任を追及してきたのは山川心菜だった。

若林星奈の西野グループでの立場は、もともと崖っぷちだ。ここで弾き出されたら――三年前、「月鳴プロジェクト」に潜り込ませた情報には、二度と触れない。

調査は止まる。

父の死。優斗が味わった地獄。自分が精神科病院へ放り込まれた、その真相。

逃げ道なんて、どこにもない。

若林星奈は手を伸ばし、目の前のグラスを取った。

「そうこなくちゃ」

藤原圭司は椅子の背にもたれ、満足げに笑う。

酒なんて、三年ぶりだ。精神科病院で削られた身体に、たった一杯が重すぎる。...

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