第26章 手を出しすぎだ

「まだ意識あるか?」

若林星奈は「うん」とだけ返し、言葉は舌の上で崩れた。

「いい、耐えろ。もうすぐ着く」

車は黄色信号を二つ、強引に突っ切った。

病院の正面に滑り込んだ瞬間、救急の看護師とストレッチャーがすでに待機していた。

神田健斗はエンジンを切り、車を降りると助手席へ回ってドアを開けた。

若林星奈は自力で立とうとする。だが膝が折れ、身体が前へ――崩れ落ちる。

神田健斗は迷わず受け止め、そのまま横抱きにした。

軽い。

信じられないほど、軽い。

荒野で拾い上げたあの時よりも、さらに。

若林星奈の頬が彼の胸に押し当てられ、熱が怖いほど伝わってくる。神田健斗は彼女を抱えた...

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