第34章 七日間

神田健斗はまだ海の上だ。生きているのか、死んでいるのかすら分からない。

彼女に、他の道はなかった。

「ママ」

若林優斗が彼女の腕の中に丸まり、小さな手で服の襟元をぎゅっと掴む。くぐもった声。

若林星奈は俯き、怯えた息子の目と視線を合わせた。胸の奥に残っていた迷いが、一瞬で溶ける。

「行こう」

船倉は、想像していたよりずっと大きかった。

スイートルーム、レストラン、医療室、甲板。何でも揃っている。豪奢すぎて、現実感が薄れるほどだ。

若林星奈に、見物する余裕はない。

優斗を寝室のベッドへ寝かせ、カーテンを閉める。彼女はベッド脇に腰を下ろした。

子どもは手を離そうとしなかった。...

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