第41章 これはただの始まり

若林星奈はその言葉を耳にした瞬間、呼吸さえ止めた。

山川心菜が――妊娠?

しかも、相手はあの男……?

山川心菜が鼻で嗤うように冷笑する。

「西野直人? あいつ、私の指一本だって触れてないわ。何で妊娠できるのよ。私のお腹にいるのは――あんたの子ども」

「じゃあ、なんで……」

「この子で、西野夫人の座を完璧に固めるの」山川心菜は当然のように言い切った。

「生まれたら早産だってことにする。西野直人みたいな間抜け、どうせ自分の子だって信じ込むわよ。そうなれば、西野家は丸ごと私のもの」

「俺が協力しなかったら?」

「小林岳、忘れたとは言わせないわ」声音が鋭くなる。

「三年前の偽の親...

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