第45章 プランB

西野直人は彼女を見つめた。

分かっている。――時間稼ぎだ。

だが、月鳴第2期区画の案件が重要なのも事実だった。

「これが最後だ。西野グループ部長として、公の場に出られるのはな」

冷たく言い捨てると、西野直人はそれ以上彼女を見ようともせず、オフィスを出た。反手でドアを閉める。

廊下の冷たい壁に背を預け、スマホを取り出して若林星奈へ発信した。

コールは長く続き、ようやく繋がる。

「何か用?」

向こうの声は、澄んで冷たく、感情の欠片もない。

「星奈……」西野直人は喉が詰まった。「今夜、会食がある。藤原グループの高田社長だ。月鳴第2期区画の話で……山川心菜も来る」

誤解されるのが...

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