第52章 招かれざる客

「よぉ。これ、若林家の“元お嬢さま”じゃない。西野社長の懐にいられなくなったくせに、まだ余裕ぶっこいて子ども連れて積み木遊び?」

若林星奈は、びくりと身体を強張らせた。振り向いた瞬間、目の前の女を思い出す――若林家の遠縁、小原緑。自分の伯母にあたる女だ。

花柄のシャツに、手提げ袋。横には、けばけばしい服装の女が数人。どう見ても連れだ。麻雀でも打って、その帰りに通りがかったのだろう。

小原緑は、典型的な下品な女だった。口は悪く、金持ちには媚びるくせに、貧しい相手には容赦なく唾を吐く。

若林家が栄えていた頃、小原緑は三日と空けずに屋敷へ顔を出した。

「星奈、星奈」

親戚の誰よりも親し...

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