第55章 彼女とは無関係

山川心菜はアプリを閉じると、口の端に冷たい笑みを浮かべた。所詮は都合のいい道具。用事を片づけて、欲を満たすために使うだけ。使い終われば捨てればいい。

あいつが生きようが死のうが、彼女には関係ない。

ただひとつ、彼女が見落としていたことがある。

小林岳は馬鹿じゃない。むしろ、山川心菜が思っている以上に頭が切れる。

このところ小林は、目立たない録画アプリを密かに走らせ、彼女が宇空グループの連絡先へ送ったメッセージを一件残らず、さらに暗号化された番号との通話履歴まで、全部記録していた。

そして、もっと致命的なことにも気づいてしまった。

山川心菜の“海外口座”。そこに入っている金は、彼女...

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