第67章 自殺

四文字が、男の歯の隙間から絞り出される。

若林星奈はふと視線を落とし、自分の手首を見た。そこでようやく、ぐるりと一周する青紫の痣に気づく。

西野直人じゃない。

駐車場にいた、坊主頭の男だ。

あのとき銃を奪い取ろうとした瞬間、坊主頭が彼女の手首を死ぬほど強く掴んできた。星奈は力任せにそれをこじ開けた。アドレナリンがぶち上がっていて痛みなんて感じなかったが、今見ると――かなりひどい。

「違うよ」

若林星奈は手首を引っ込めた。

「今日、駐車場で待ち伏せされた。相手、銃持ってた」

「……は?」

水谷瑞貴が勢いよく上体を起こす。傷が引きつったのか、眉間が一瞬だけ歪んだ。だが痛みなんて...

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