第69章 腰を痛めないようにね

ブルーオーシャン計画が、いよいよ正式に資金調達へ踏み出す日が来た。

雲城国際会議センター。

若林星奈は仕立てのいい黒のスーツに身を包み、長い髪をきっちりまとめ、ハイヒールで音を刻みながら、西野直人の半歩後ろを歩いて会場へ入った。

ロビーへ足を踏み入れた瞬間、正面から藤原グループの藤原社長が現れる。

今日は赤いスーツ。勢いそのままの顔つきで、隣には渡辺副社長が付き従っていた。

「おや。西野社長、若林さん。奇遇ですねえ」

笑っているのに、目が笑っていない。薄い皮だけの愛想を貼り付けたまま、藤原社長は西野の背後にいるチームへ視線を滑らせ、わざと声量を上げた。

「今日はずいぶんお揃いで...

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