第84章 きれいに片付けた

山川心菜は檻の中で狂ったようにもがいていた。口にはガムテープ。漏れるのは「んんっ、んんっ」というくぐもった声だけ。涙とマスカラが混ざり合い、顔中がぐしゃぐしゃだ。

自分がどうやってここに放り込まれたのか、まるで分からない。

さっき、照明が落ちたあの十秒。背後から首を絞められ、湿った布を口元に押し当てられた。次に目を覚ましたときには、鉄の檻の中だった。

会場が、凍りついた。

白いスーツの司会者はマイクを落としかけ、口をぱくぱくさせる。貼りつけた笑顔が、仮面みたいにひび割れていた。

「こ……これは、違……」

言い終える前に、頭上の灯りがもう一つ、ぷつりと消えた。

続いて二つ目、三つ...

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