第85章 お前もふさわしいのか?

水谷瑞貴はドアを開け、そのまま外へ出ていった。

若林星奈はリビングの真ん中に立ち尽くし、手にはまだルミネの株式譲渡契約書が握られている。

表紙の「ルミネ」という三文字に視線を落とした瞬間、脳裏でさっきの水谷瑞貴の言葉が何度も反芻された。

「先輩、ルミネが誰のものか、ご存じですか」

知っているに決まっている。

西野修也は「自分が作った」と言っていた。

若林星奈はファイルを引き出しに戻し、窓辺へ移動して、向かいの固く閉ざされた部屋のドアを見つめた。

――この人、いったい何を考えているの。

書斎に入り、パソコンを立ち上げる。

まずは最優先。

山川心菜。

暗号化されたクラウドか...

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