第89章 行く手を阻む

若林星奈は紙ナプキンを取り、優斗の口元をそっと拭ってやった。

「いい? 西城の旧市街の近くにあるオーク国際幼稚園。今の家から近いし、送り迎えもしやすいの」

「オーク国際幼稚園?」西野修也は小さく頷き、どこか思い当たるように眉を上げた。「あそこは評判いいな。ただ枠が相当きつい。園長に一本、俺から電話しておこうか?」

「いいえ、西野おじさん」若林星奈はきっぱり首を振った。

西野家に借りを作りたくない。まして優斗に、西野家の縁をまとわせたくなかった。

「普通に申し込みます」若林星奈は西野修也をまっすぐ見た。「どうしても入れなかったら、そのとき別の園を考えます」

西野修也は二秒ほど彼女を...

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