第98章 どこへ連れて行った?

「兄さん……本当のこと、言って」

声が震えていた。

「兄さんが神田結愛と付き合ってるの、別の目的があるんじゃないの?」

三山亮平は彼女を見ない。前方の道だけを、ただ見据えていた。

「唯。お前が知る必要はない。ちゃんと働け、金を貯めろ。そのうち堅実な相手を見つけて嫁げ。俺のことは俺が片をつける」

「じゃあ、若林さんは?」三山唯の涙が、ついに頬を伝って落ちた。

「今朝早くから若林さんの家の下で張ってたのは、何のため? 若林さん、うちのことと関係あるの?」

三山亮平の喉仏が、かすかに上下する。

「……ない」

三山唯は兄の腕を掴んだ。

「兄さん、若林さんはいい人だよ。私にすごく優...

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