チャプター 5

マグナス・ヘイル

「地上用物資――融雪剤の岩塩、十袋。強化シャベル、四本。ハンドランタン、二つ。予備バッテリー付き無線機、一台」

奴は一息つき、悪い知らせを告げるための勇気を振り絞る。

「ヘリの到着は深夜……もしくは早朝になるかもしれません」声のトーンが落ち、俺の目から視線を外す。「ですが、しばらくはそれが最後の配送になります。北から大型の嵐が接近しており、基地からの警告では、回廊は数週間――下手をすれば一ヶ月は閉鎖される可能性があると」

廊下の沈黙が重くのしかかる。怒りが腹の底でとぐろを巻く。嵐が来るということは、視界が閉ざされ、横風が吹き荒れるということだ。補給が絶たれれば狂気が増...

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