チャプター 9

エイドリアン・カエル。

思考の渦から無理やり意識を引き剥がし、独房へと戻る。小刻みに歩き回ってみるが、胸を締め付けるしこりは少しも解けない。行ったり来たりを繰り返しながら、胃の底から喉元へと這い上がってくる震えを必死に抑え込もうとする。

呼吸が引きつる。あらゆる音が警告のように響く。鉄格子のきしむ音、遠くの足音、制服が擦れる音。そのすべてが、なぜ俺がここにいるのかを思い出させる。

今日、何かが起こるかもしれない。

俺は、童貞を奪われるかもしれない。

その考えが、消えようとしない影のように脳裏にこびりつく。追い払おうとしても、それはより鋭く、執拗に戻ってくる。座り込み、立ち上がり、壁に...

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