チャプター 12

エイドリアン・ケイル

遠くで響く鉄格子の金属音で目が覚める。中断された休息に、重たい体が抗議の声を上げるが、意識は瞬時に冴え渡り、自分がどこにいるのかを思い出した。

独房はまだ空っぽで、寒々しく、静まり返っている。奴がいないことへの安堵感はあるが、決して気は抜けない。やるべきことは山積みだ。

寝台の端に座り、深く息を吸い込み、長く吐き出す。ゆっくりとブーツを履き、力を振り絞って立ち上がると、鉄格子へと歩み寄る――開いている。この好機を逃さず、誰もいない廊下へと足を踏み出した。一歩ごとの足音が、静寂の中で反響する。

俺は「処刑人」専用のバスルームに入った。あいつはクソ野郎だが、このささや...

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