チャプター 16

顔を上げると、暗い色の制服を着た男が部屋を横切ってくるのが見えた。両脇にはベテランの看守を従えている。長身で、肩幅が広く、強張った姿勢。ここを変えられると信じ込んでいるタイプだ。哀れなもんだな。

囚人たちは油断なく見守り、事態がどう転ぶかを窺っている。俺は構わずに煙草を吸い続けた。

「インフェルノ・ベイは、まるでクソったれなサーカスに成り下がったな」

男の声が食堂に響き渡る。

……上等だ。

いわゆる新任の警備主任は、傲慢さを撒き散らしながらあたりを見回した。

「今からルールは変わる。特別扱いは一切なしだ。貴様らは全員犯罪者だ――それ相応の扱いを受けてもらう」

空気が重くなった。目...

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