チャプター 26

ダンテ・カステリ。

薬品の鼻をつく臭いが、古びた木材や錆の匂いと混じり合い、空気に漂っていた。天井からぶら下がる裸電球の頼りない光が、この狭苦しく息詰まる空間の隅々に、歪な影を落としている。

金属製の椅子に腰を下ろし、指に煙草を挟んだまま、俺は目の前のテーブルに並べられた「積荷」を冷静に見下ろした。きつく密封されたビニールの包みは鈍い光の下で艶めき、その中には精製された白い粉末と、小さな結晶の塊が透けて見えた。

純粋な品だ。不純物は一切ない。

まさに、あるべき姿だ。

刑務所長は、白髪交じりの髪に皺だらけのスーツを纏った中年男だ。彼はテーブルの脇に立っていた。その強張った表情と額に滲む...

ログインして続きを読む