チャプター 35

イライジャ・ヴォーン。

金属製の扉がきしんだ音を立てて閉まる。それは重く、決定的な響きだった。カーテンの布地がゆっくりと引かれ、俺たちを狭い密室のプライバシーの中へと包み込んでいく。

静寂が降りた。

そして、彼が動いた。

彼はベッドから立ち上がると、ようやく獲物を追い詰めた捕食者のような視線を俺に固定した。

一瞬、彼は目に見えるすべてのディテールを吸収するかのように、じっと俺を見つめた。

「お前は、俺のものになることを選んだんだ」

彼の声は低くなり、そこには拒絶を許さない響きが込められていた。

「たとえいつか後悔したとしても、もう後戻りはできない」

その言葉の重みに、俺の胸が...

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