チャプター 59

イライジャ・ヴォーン

水と湯気、そして彼の肉体から放たれるむき出しの雄々しさ。それらが混然となって、俺を完全に虜にしていたのかもしれない。

「濡れた髪、死ぬほどそそるよ」俺は迷わずそう言った。かつて俺にまとわりついていた恥じらいなど、とっくに消え失せている。

彼は鏡越しに意地悪な視線を寄越し、口元に歪んだ笑みを浮かべた。その瞳には飢えがぎらついている。

「仔ウサギちゃん……」彼の声は低く、危険な響きを帯びていた。「俺を誘惑するな」

俺は生唾を飲み込んだ。

「最後にしてから、もう何日も経ってる。俺のモノはもう破裂しそうだ」

彼はシャワーを止めながら続けた。

「信じてくれ、自分で処...

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