チャプター 76

イライジャ・ヴォーン

「で……リーパーが自分の体に、お前の名前を彫るのを見てどう思った?」

俺は彼の方を振り向き、その瞳に浮かぶからかうような光を受け止めた。

「茶化してるわけじゃないぜ。本当のところ、どう感じたんだ?」

俺は深く息を吸い込み、唇を噛んだ。

「最初は……奇妙な感覚だったな。嫌だったわけじゃない――むしろその逆だ」

記憶があの瞬間へと引き戻される。タトゥーを入れるよう命じながら、ダンテが俺の名を口にしたあの場面へ。

「どう反応すればいいのか分からなくて、ただ見守ることしかできなかったんだ」

彼はニヤリと笑った。

「で、その後は?」

体の奥底から熱いものが込み上...

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