チャプター 83

「ダンテ・カステリ」

静寂を切り裂く刃のようなその声に、俺の中の何かが凍りついた。

俺は歩き続けた。

「頼む、待ってくれ！」

疲労感に打ちのめされ、俺は長く息を吐き出すと、足を止めた。

ゆっくりと振り返る。

視線が交差した。

彼は途方に暮れているように見えた。

まるで言葉の切り出し方を探しているようだが、足元の地盤さえ見つけられないといった様子だ。

「なんだ？」俺はきっぱりと尋ねた。声は乾ききっていて、直截的だ。そこに虚飾の入り込む余地はない。

彼は喉を鳴らし、固唾を飲み込んだ。

「謝りたいんだ」声が震えている。「俺が……俺が間違ってた。君を疑ったのは間違いだった。あんた...