チャプター 84

イライジャ・ヴォーン。

ダンテが振り返りもせずに立ち去っていくのを、俺は見つめていた。

彼が一歩踏み出すたびに、俺の存在が少しずつ消し去られていくような気がした。

もう、抑えきれなかった。

最初は静かに、やがて激しく涙が溢れ出した。肌を焼くようなその熱さは、まるで俺の中から罪悪感を無理やり引き剥がそうとしているかのようだった。

俺は床に崩れ落ちた。呼吸は震え、体は小刻みに揺れている。

膝を強く抱え込む。すべてが音を立てて崩れていくのを感じた。

彼はもう、俺を愛していないのだろうか?

俺のせいで、二人の関係を諦めてしまうつもりなのか?

俺がすべてを台無しにしたんだ。

全部、俺...

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