チャプター 88

ノア・ウィットモア

満面の笑みを浮かべ、俺は廊下を歩いていた。足取りは軽く、今にもスキップしそうなほどだ。

作戦は成功した。

今頃、イライジャと「死神」は一緒に閉じ込められているはずだ。ようやく、二人にとってどうしても必要だった話し合いができていることだろう。

妙な満足感があった。

うぬぼれているわけじゃない。ただ、二人が分かり合い――心を開き合うのを見るのは、自分でも知らなかったほどの救いだったのだ。

この地獄のような監獄で、友ができるなんて思ってもみなかった。

インフェルノ・ベイは、人間を内側から食い尽くす場所だ。

ここでは、絆など弱みでしかないと見なされる。

だが、イラ...

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