チャプター 90

イライジャ・ヴォーン。

バスルームを出た僕たちは、すでに服を着ていた。髪はまだ濡れていて、廊下を歩く僕たちの背後には石鹸の爽やかな香りが漂っていた。

僕は彼と指を絡ませた。大きく温かい手が、僕の手を包み込むのを感じる。

だらしない笑みが顔に広がり、隠すことなんてできなかった。

僕たちはもう結婚したんだ。まだ信じられない気持ちだった。

たとえ公的なものでなくても、僕たちは身体も、魂も、心も、すべてで絆を結んだのだから。

心は軽く、胸に収まりきらないほどの幸福感に圧倒されていた。

思考が渦を巻き、あまりの激しさにめまいがしそうだった——喜びと、愛と、そして安堵で。

今この瞬間に死ん...

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