チャプター 98

ダンテ・カステリ

体を拭き終えると、俺はバッグを開けて彼に服を渡した。それが忌々しい囚人服ではなく、まともな衣服だと気づき、イライジャは目を丸くした。

彼はためらうことなく、素早く身に着けた。

体にフィットした白いコットンシャツが彼の華奢なラインを包み込み、ダークカラーのジーンズが脚に吸い付くように馴染んでいる。シンプルな装いだが、息をのむほど美しかった。

俺も無地の黒いTシャツとダークジーンズ、そしてブーツを身に着け、髪は下ろして肩にかかるままにした。

鏡に映る自分を見ると、そこには見知らぬ男が立っているようだった。

まるで、新たな人生を始める準備ができた男のように。

指を絡ま...

ログインして続きを読む