第1045章

「父さん、何か用?」

藤原景治は入ってきた藤原天男を見て、表情をわずかに和らげた。

藤原天男はソファにどさりと腰を下ろすなり、険しい顔で訊いた。

「今日の件、どうするつもりだ?」

藤原景治の表情が一瞬、固まる。――もう家の中では完全に知れ渡っている。そう悟り、淡々と答えた。

「別に。何も考えてない」

「お前な……!」

藤原天男の顔色が一段と沈む。

「だめだ。お前はあの子にひどいことをしたんだ、責任を取れ。明日、俺が人を動かしてあの娘の身元を調べる。結納の用意もする。直接、家へ行って話をつけるぞ」

藤原景治「……」

沈着な仮面に、ぴしりと亀裂が入った。しばし沈黙してから、低...

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