第107章

小林絵里はハッとして動きを止めた。

「どういう意味?」

松本桜は唇を尖らせた。

「あのクズ男の家族が本当に彼のことを気にかけてるなら、一年も行方不明のまま見つからないなんてあり得る?それとも、記憶が戻ってからやっと見つけたってわけ?絵里、今はビッグデータの時代よ。大人の男一人を探し出すなんて、簡単じゃない?」

小林絵里は小さく唇を噛みしめた。

「まあいいわ、あんな奴の話はもうやめ。縁起が悪い」

松本桜はそう言って言葉を切った。

最後の一口の葱餅を平らげると、彼女は満足げに目を細めた。

「んー、すっごく美味しい!毎日でも食べたいくらい」

「いいよ、お金払ってくれるなら」

「...

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