第113章

「お嫁ちゃん!」

 坂田お婆さんは、ようやく彼女を思い出したかのように、嬉しそうに手を伸ばした。

「どこに行ってたの? もう私と遊んでくれないの?」

 小林絵里は歩み寄り、その手をそっと握りしめた。

「そんなことないですよ。さっき約束したじゃないですか。私が隠れて、お義祖母ちゃんが彼を叱るって」

 坂田お婆さんは一瞬きょとんとした後、すぐに頷いた。

「そうだった、そうだった。和也があんたをいじめるから、私が懲らしめてやるんだったね」

 坂田和也の暗く沈んだ視線が、彼女の顔に突き刺さる。

「お前が祖母さんに言いつけたのか」

 小林絵里は眉を軽く上げた。

「どうして? いけま...

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