第115章

小林絵里は向き直り、夏目夕子へ視線を向けた。

「夏目さん、こんなクズ男の言葉を信じるの? あなたすら守れず、私を盾にするなんて、滑稽だと思わない?」

 あいにく、彼女はそのやり取りを一部始終聞いていたのだ。

 坂田和也のあまりの厚顔無恥さに、言葉を失うほど呆れ果てていた。

 本当に、どれほど夏目夕子を愛していることか!

 無関係な自分を巻き込んでまで。

 ここ最近の針のむしろに座るような日々も、夜ごとの悪夢も、すべては彼がもたらしたものだ!

 私を苦しめるなら、いっそ全員で地獄に落ちればいい!

 どうせ天涯孤独の身、死ぬことなど恐ろしくない。むしろ彼らが道連れになってくれるか...

ログインして続きを読む