第123章

坂田和也は一瞬、目を伏せると、すぐに言葉を続けた。

「車を出させよう。送らせる」

夏目夕子はこくりと頷いた。

「ええ」

すぐに運転手が車を回してきた。夏目夕子が車に乗り込むのを見届けると、坂田和也はスマートフォンを取り出し、どこかへ電話をかけた。

「頃合いを見て、松本桜を拘束しろ」

……

ステーキを食べ終えた二人は、夜市をぐるりと一回りした。おかげで、鬱屈とした気分も随分と晴れたようだ。

小林絵里は松本桜の腕に自分の腕を絡ませ、小さくため息をついて言った。

「桜、やっぱり海外へ行ったほうがいいんじゃない?」

松本桜は首を横に振る。

「嫌よ。私はここに残って絵里のそば...

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