第124章

小林絵里は彼女を見つめ返した。

「だめよ、わたしはまだ……」

松本桜は彼女の腕を揺さぶりながら、甘えるような声を出す。

「絵里ぃ、お願い、ね? いいでしょ……」

その甘えっぷりに耐えきれず、絵里はついほだされて頷いてしまった。

「……わかったわ」

松本桜はぱっと明るい笑顔を浮かべ、高川の方を向いた。

「いつ始まるんですか?」

高川寒彦が宥めるように言う。

「焦らなくていい。後で迎えに来るから、まずは楽しんでてくれ」

そう言い残し、彼は身を翻して立ち去っていった。

松本桜と小林絵里はフロアで一番見晴らしのいいボックス席に腰を下ろした。やがてボーイが酒とフルーツの盛り合わせ...

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