第142章

小林絵里は簡単な食事を作り、食卓につくと、無意識にスマートフォンを取り出して画面に目を落とした。

 どういうことだろう?

 坂田和也は上がってこないのだろうか。

 なら、どこへ行ったというの?

 あれこれと邪推してしまう。スマホを握りしめ、しばらく画面をじっと見つめていると、不意に今日彼が口にした言葉を思い出した。

 うまくなだめすかして、離婚に応じてもらわなければ。

 そうでなければ、この先ずっとこんな危険な状況に身を置くことになってしまう。

 小林絵里は一つ深呼吸をしてから、坂田和也の番号に発信した。

 呼び出し音が三回鳴った後、通話が繋がった。

 小林絵里は単刀直...

ログインして続きを読む