第151章

地下鉄で通勤する途中、松本桜は堪えきれずに吹き出した。

「あいつのあの不機嫌そうな顔、見た? もうおかしすぎて笑い死にそう、あはははっ」

小林絵里は淡々とした表情で答えた。

「離婚しない限り、あの人はこれからもずっとあんな毎日を送ることになるわ」

松本桜はふうっとため息をついた。

「要するに互いの我慢比べってわけね。どっちが先に音を上げるか」

小林絵里は何も言わず、ただスマホを見つめていた。

会社に着くと、彼女は松本幸雄に社長室へと呼ばれることになった。

行きたくはなかったが、会社では彼が上司であり、その指示には従わざるを得ない。

小林絵里は懸命に感情を整え、席を立ってオフ...

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