第153章

小林絵里の表情がすっと冷え込んだ。「ならお願い、子供だけは作らないで。せめて、私たちが離婚してからにして」

そう言い捨てるなり、彼女はショッピングカートを押してきびすを返した。

遠ざかるその背中を見つめる坂田和也の口元からも、微かな笑みが冷たく消え去った。

小林絵里は野菜コーナーで品定めをしてカートに放り込むと、すぐさまスナックコーナーへと足を進めた。

だが、商品の棚の角を曲がろうとしたその時、カートを押した誰かが足早に突っ込んできて、正面から激突した。二人のカートは共に横転し、中の商品が床一面にバラバラと散乱してしまう。

「ごめんなさい、本当にごめんなさい!」

ぶつかった相...

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