第157章

小林絵里の華奢な体が、ぐらりと大きく揺らいだ。

「ちょっと、何デタラメ言ってんのよ!」

松本桜が足早に歩み寄ってくる。「あの二人はね、もう一年近くも夫婦やってるのよ! 絵里がどんな子かくらい、坂田和也だってよく分かってるはずよ。絵里が毒なんか盛るわけないって、絶対に信じてるわ!」

「果たして、そうかな?」

古川修一は意味ありげな薄笑いを浮かべると、そのまま背を向け、病室のドアを開けて中へと消えていった。

松本桜は眉間にシワを寄せた。「ちょっと、今のどういう意味よ! ちゃんと説明してから入りなさいよね!」

慌てて後を追おうとするが、入り口に立つ屈強なボディガードに無情にも遮られ...

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