第162章

松本桜は怪訝そうな顔で彼をちらりと見た。

「本当にそんな親切心があるの?」

古川修一は何も言わず、ただ薄笑いを浮かべて彼女を見つめていた。

松本桜は少し考え込んだ後、ようやく落ち着きを取り戻した。今は親友の潔白を証明することが何よりも優先だ。

もし、本当に古川修一が力を貸してくれるなら、事態が好転する可能性もあるかもしれない。

「手伝うわ」

松本桜は彼の乱れたズボンの紐に目をやると、歩み寄って身をかがめ、その細い指で紐をつまんで結び目をこしらえ始めた。

彼女が不意に近づいたことで、その体から漂うほのかな香りが鼻腔をくすぐった。古川修一は松本桜の顔をじっと見つめ、唐突に口を開...

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