第168章

小林絵里の瞳がスッと冷たくなった。

「証拠はあるの?」

夏目夕子は食ってかかった。

「あなたが作った料理を食べて食中毒になったのよ。これ以上、何の証拠が必要だって言うの?」

「食材を買ってきたのは彼自身よ。その理屈で言うなら、彼が自分で毒を盛って私に罪をなすりつけようとしている、そう言ってもいいってこと?」

「あなたねっ!」

夏目夕子の顔が険しく歪んだ。

「小林さん、それはただの屁理屈よ!」

「あなたが都合よく事実を切り取るよりはマシね」

二人の間に、一触即発のヒリヒリとした空気が張り詰める。

「いい加減にしろ!」

そこで坂田和也が口を挟んだ。その端正で鋭い顔立ちは...

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