第171章

小林絵里はふと立ち止まった。高川寒彦がこの近くにいるのだろうか?

「あ、はい。わかりました」

電話を切る。小林絵里が玄関へ向かうと、まもなくチャイムの音が鳴り響いた。ドアを開けた先には、紫色のショートヘアを揺らす高川寒彦の姿があった。

「寒彦さん、来てくれたんですね」

小林絵里は彼に向かって、ふわりと微笑みかけた。

高川寒彦は口角を上げて笑う。その整った顔立ちはどこか妖艶で、人を引き込むような魅力的な瞳が彼女を見つめた。

「何かあったのか?」

小林絵里は彼を部屋に招き入れ、これまでの経緯をかいつまんで説明した。

高川寒彦はテーブルの上に置かれた料理を一瞥し、眉を片方吊り上げた...

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