第182章

小林絵里は彼に軽く微笑みかけた。

「ううん、何でもないの。もし具合が悪いようなら、一緒に病院へ行った方がいいかと思って」

「必要ない」

高川寒彦は短く答えた。

小林絵里は再び箸を取り上げた。

「じゃあ、先にご飯を食べちゃいましょう」

そう言って、彼女は先に食べ始めた。

実のところ食欲はあまりなかったが、全く食べないわけにはいかない。彼女にはまだ片付けなければならない用事が山ほどあるのだ。

高川寒彦はその艶を帯びた瞳で彼女をじっと見つめたが、それ以上は何も言わなかった。

食後、小林絵里が会計に向かうと、すでに支払いは済んでいると告げられた。

彼女は少し動きを止め、高川寒...

ログインして続きを読む